二度と戻らない


二度と戻らない

 ある晴れた日の午後、ベランダから音がするのを聞きつけ、僕と妻は耳を澄ませた。隣の部屋から来るようだ。男の話し声、何かを言い合っている。
 白い壁、低くはない手すり、僕らが住むのは七階でそれなりに高い。色んな高さの部屋に住んだことがあるが、四階を超えると通行人と目が会わなくなる。三階だとぎりぎり気づかれるが、四階以上はあまりない。人の目から消えることのできる高さ。僕と妻はそんな部屋に住み、見晴らしのいい、リビングと同じくらい広いベランダの向こうにある空を…

作品概要

  • 短編。
  • 夢系のお話。
  • なのでうまく説明できないけど。
  • 原稿用紙24枚。